2011年12月12日月曜日

フューチャースクール設置計画の波紋

平成24年度から向こう10年間にわたる、県立学校編成整備計画の素案がまとめられ、関係する学校及び関係者に説明会が行われています。
志願者数が減り、定員を下回っている学校の統廃合とともに、今注目されているのが、心因性の不登校や発達障がいの生徒たちの学びなおしに特化した「フューチャースクール」を中部地区の北谷高校に併設するという案です。

県教育庁は、不登校や発達障がいがある生徒たちを集中募集し、全日制高校とは異なる柔軟なカリキュラムを導入すれば、生徒に粘り強く対応でき、中途退学や休学の減少にもつながるとしています。

また北谷高校をフューチャースクールとする理由については、
(1)怠けなどではない心因性不登校の経験がある中学3年生(10年度)は中頭地区に200 人で、県全体の34・7%に上り、うち62%が進学を予定している。
(2)同地区で発達障がいのある中学3年生は68人で県全体の30%に上り、うち82・ 4%が進学を予定している。
(3)立地条件や交通の便からも中部地区の拠点校として合致する―と説明しています。

発達障がいによる適応の困難さ、発達障がいによる2次障がいで悩む子どもたちへの教育を保障することは、特別支援教育の根幹です。全ての高等学校で、配慮が必要な生徒たちを支援することができるということが本来の姿であることは確かです。

しかし行き場のない子どもたちの一部は、フリースクール等に通い高等学校の単位を履修しています。その授業料は経済的なゆとりのない家庭にとっては大きな負担となっているだけでなく、フリースクール等を卒業した後の進路や就職に対する不安を持っている保護者も少なくはないと思います。

高等学校全入の時代のなかで、発達障がいによる適応困難に悩む生徒の教育を保障することこそ公教育の使命ではないでしょうか。県立高校がどうあるべきかが問われているのだと思います。

第5回九州・沖縄地区子ども支援ネットワーク交流学習会

ちらしの裏面です。