2013年5月12日日曜日

平成24年度の学校基本調査にみる沖縄県の高校生の課題

 平成24年度の学校基本調査における高等学校卒業生の進路状況について、九州各県と沖縄との比較のために作成した表が下記の表1です。参照しているデータは文部科学省のホームページからのものです。

表1


「平成23年3月」、「平成24年3月」とあるのは全国のデータです。

1 大学進学率が全国平均が53.9%に対し、沖縄は36.2%で全国平均を下回っています。
2 専修学校(専門課程)進学率が全国平均16.2%に対し、沖縄は25.7%で、全国平均を上回っています。
3 就職率は全国が16.3%であるのに対し、沖縄は13.6%でこれも全国を下回っています。
4 卒業時点で、進学でも就職でもない生徒、表では「上記以外の者」と表現されている生徒の数は全国で51,768人で、全体に占める割合は4.9%であるのに対し、沖縄は2,754人で沖縄県の卒業生全体に占める割合は18.1%と突出しています。

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次に、卒業後の進路状況を沖縄県と鹿児島県について比較したいと思います。
まず、沖縄県のデータをグラフで表したものが下記のグラフ1です。

グラフ1



つぎに、鹿児島県のデータをもとに作成したのが下記のグラフ2です。

グラフ2



 沖縄と鹿児島を比較して際だっているのが、進路未定者が全体に占める割合です。

 沖縄を除く九州7県の平均値によるグラフが次のグラフ3です。
 鹿児島県のグラフに似た結果になっています。


 
 このように九州7県の平均と比較しても、沖縄の高校卒業生に占める進路未定者の割合は、特異な状況であることが分かります。

 なお、進路未定者について文部科学省のホームページでは、「卒業後、進学でも就職でもないことが明らかな者」と説明されており、その例として予備校等に所属せず受験の準備をしている者、就職活動をしている者、家事手伝いなどが挙げられています。


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次に、卒業生の就職率、進学率、そして進路未定率の過去5年間の推移です。



過去5年間を見ると
1 進学率は5年前に比べ、1.9ポイント増加しています。
2 就職率は5年前に比べ、2.9ポイント低下しています。
3 進路未定率は5年前に比べ0.9ポイント増加しています。

就職率が低下傾向にあるのに対し、進学率と進路未定率はわずかながら増加しています。

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