2012年6月24日日曜日

特別支援学校分教室の生徒が公式試合に出場

昨日、夏の甲子園沖縄地区予選の試合を観戦。慰霊の日であるため、正午に試合を中断して黙祷する、という沖縄ならではのシチュエーションのなか、特別支援学校の球児が初めて公式戦のグラウンドに立つ、という瞬間に立ち会うことができました。

6月23日、沖縄県の北谷野球場で開催された夏の甲子園大会、沖縄県予選に沖縄高等特別支援学校の分教室に在籍している生徒が分教室のある中部農林高校の野球部の一員として出場しました。

この生徒は、軽度の知的障がいがあり、沖縄高等特別支援学校の中部農林高校分教室に通っている。現在、高等部3年生。1年の頃から中部農林高校野球部に所属し、チームの中では、レギュラーとして試合に出場できる実力をもちながら、高野連の規則上、公式戦ではベンチに入ることすらできませんでした。

特別支援学校の分教室は、在籍している特別支援学校を母体校、分教室を設置している高校を設置校と呼んでいます。中部農林高校は、この生徒にとっては設置校。

分教室の生徒が設置校の野球部員として登録され、公式戦に出るのは初めて。今回、日本高野連が、中部農林高校の生徒とともに日常的に活動している実態があるとして、選手登録を特例で設置校で行うことを認めたことによって、今大会出場への道が開けました。

これまで、公式戦に出られない境遇に屈することなく、ひたむきに練習に取り組んできた生徒個人にとっても忘れられない1日になっただけでなく、全国の特別支援学校にとっても記念すべき1日になりました。

中部農林野球部には、女生徒の部員もおり、ユニフォーム姿で応援していました。ちょうど去年の今頃、別の女性部員が高校球児としては最後の大会、試合には出場できなかったものの、県高野連と両校校長の計らいで始球式のピッチャーとして、公式戦のグラウンドに立ったことが思い出されました。

試合に出られない壁、それでも大好きな野球続けている生徒たち。本人たちの「あきらめない心」「続ける力」のすばらしさはいうまでもなく、中部農林高校の生徒や教師が体現している包容力が、女性部員や分教室の生徒の活動を支えているのではないか、昨年のエピソードと昨日の出来事を重ね合わせて、そう思いました。

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