2012年6月24日日曜日

僕の仕事は「重症心身障がい」

重度の心身障がいのある方たちの自立を、どうとらえるか考えるとき、
ヒントを与えてくれる文章が地元紙に掲載されていましたので紹介します。
文章を書かれたのは、重症心身障害児入所施設の施設長をされている先生です。

「僕の仕事は『重症心身障がい』」
泉川良範

ぼくのなまえは、「なごりょういく」、30さい。「しごと」は、「じゅうしょうしんしんしょうがい」です。
この「しごと」には、しかくがあって、だれでもなれるものではないです。
「のうせいまひ」と「ちてきしょうがい」のりょうほうがあって、どちらも「じゅうしょう」でないといけないからです。
しごとのきっかけは、うまれたころですがおぼえてないです。ちいさいころから「りはびり」をがんばりました。ちかごろは、ここでくらしています。ここにきたきっかけは、おかあさんがこしをいためて、「かいご」ができなくなったからです。「ごめんね」といっていましたが、こしがなおってからしゅうじをおしえているそうで、ぼくはよかったとおもいます。
それと、ちょうどぼくも、ずっとおやのいえにいるのもどうかなとおもっていたところだったし。ここにきて、としのちかいともだちもできました。てれびでけんかすることもありますが、なかよくしています。
こどものときは、いえにいられてよかったです。たくさんのおもいでができたから、おとなになってからは、こうして「じりつ」できたんだとおもいます。
「いのちとむきあうこと」がしごとで、みなさんはなれていないからむつかしいかもしれませんね。ぼくは、ひととくらべることはできないし、いつもいっしょうけんめいなだけです。
まわりの「しょくいん」もいっしょにべんきょうしています。それがいつかみんなのやくにたつといいなとおもいます。みなさんはじぶんのおべんきょうやしごとをがんばってください。

(名護療育園施設長 小児科医)

0 件のコメント:

コメントを投稿