2013年8月20日火曜日

アートキャンプ2013展~素朴の大砲~のお知らせ

 特別支援学校で美術を教えながら、子どもたちの作品に触れていると時々ハッとすることがあります。西洋美術の系譜とは違う美意識、細部に没入するこだわり、視覚的情報に対する驚くべき記憶力、奇抜なデフォルメ。
さらに驚かされるのは、図工や美術の授業以外の時間にも創作をしている子どもたちがいることでした。
 自宅に帰って後の日課の合間を見つけて、生きることの一部として描き、作り続けている彼らの表現には、作風あるいはスタイルといってもよい一貫した世界観がありました。
それは、とりもなおさず、身の回りのモノ、人、コトに対する彼らなりの向き合い方を表しています。あまりにも個人的で不器用だけど真摯な観察者。それゆえに、見慣れた日常を違った視点で投影した作品が、見ている私を掴んで離さない、という体験をしました。材料も手軽に手に入る紙やセロファンテープ、針金などが、彼らの手にかかると、化学変化が起こったように独特の質感をもって迫ってきました。
 
 この展示会を企画した「アートキャンプ2001実行委員会」は独自の表現世界をもつ障がい児者の表現活動を支援し、2001年から5回にわたり展示会を開催してきました。これまで、アートキャンプ展で紹介された作家の中には「アールブリュットコレクション」等海外の美術館から招待を受けるなど高い評価を得た作家もいます。
 本展はこれまでに紹介されていない新たな作家16名を含めた県内作家26名と県外の4名の作家で構成されています。
 展示会は9月12日から沖縄県の浦添市美術館で開催されます。
是非、ご覧下さい。



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